2019-01-01から1年間の記事一覧

在日米軍の存在意義

庶民に政治の可能性を信じさせない限り在日米軍は存在し続ける。なぜなら庶民にとって今の政権よりもアメリカ政府や在日米軍のほうが統治権力として望ましく見えてしまうからだ。 日韓関係がレーダー照射問題で揺れていた1月17日に米海軍作戦部長リチャー…

外国人の教育を受ける権利

外国人の人権を保障できない社会はすべての人の人権も保障できない。すべての中には日本人も含まれる。 マクリーン裁判の判決において基本的人権の保障は日本国民のみを対象とするもの以外外国人に対しても等しく及ぶとされた。逆に言えば外国人の子供が教育…

特別監察委員会とは何か

統計不正の監察委員会の樋口委員長は働き方改革会議の議員でもある。統計不正の監察を理由に働き方改革の推進者である樋口氏を使って労働市場改革を行うのが政府の目的だろう。統計の専門家だからというのは理由にならない。 働き方改革実行計画で提言された…

沖縄基地の目的

今月26日宮古島と奄美大島にそれぞれ380人、550人規模の警備部隊を新設すると発表された。島嶼防衛といえば聞こえは良いが本当の目的は沖縄の基地反対運動の弾圧である。 住民投票を否決した石垣市の陸上自衛隊500~600人も同様であるが離島に…

沖縄県民投票の結果

辺野古埋め立て反対72%という結果が出た。この結果と国政の不一致が一層拡大していくとき、今の政治の仕組みは維持できない。 辺野古新基地建設の法的根拠は52年制定の駐留軍用地特別法であるが憲法95条では一の地方公共団体のみに適用される特別法は…

統計不正問題

問題は統計そのものに対する不信感である。実質賃金の上昇が虚偽であったという不信感は実質賃金がマイナスになっても同時に作用する。マイナスでもプラスでも信用ならないというのが統計不正が起きても内閣を支持している人の感覚だろう。 今後インバウンド…

米中貿易戦争と国境の壁

2月14日、中国がアメリカから22兆円規模の半導体を購入する提案を行った。同じ日にトランプは国境の壁建設費用を軍事予算から回すための国家非常事態宣言を発令する方針を示した。アメリカの半導体はメキシコやマレーシアで組み立てや検査を行っており…

「収容所惑星」ストルガツキー兄弟

マクシムはセンターを破壊することに成功するが紅蓮創造者集団の実力者「遍歴者」は銀河系保安局の職員であることが判明する。目的は達成できてもさらに厄介な問題〈インフレ、戦争〉が持ち上がるのはマクシムや遍歴者の属する文明にも彼等には語ることがで…

そろそろ左派は経済を語ろう ブレイディみかこ

経済を語るには現状を正しく認識しなければならない。この本の致命的な欠陥は今の状況を甘く見すぎていることだろう。 金融緩和は「ニューケインジアン」的なので良しとされるがアベノミクスは16年の物価目標2%を達成できていない。マネタリストの貨幣数…

終わらない失われた20年 北田暁大

左派がアイロニカルな没入に陥っているというが、筆者の言う日本版ニューディールは「没入」が強さを持ってしまう思想的課題に応えていない。「~は正しい。だが~」という文体が現実と意識のギャップを表しているならなおさらである。性差別・格差・排外主…

露出せよと現代文明は言う 立木康介

子どもの中に堅固な闇を作るというが、抑圧がなくなった結果無意識も存在しないのだから主体の再構築は反動だろう。現実界に侵食された象徴界から「身を守る」ために症状を創造的に使い人生を切り開くという解決策はあまりに主体に重きを置きすぎている。む…

施政方針演説の御製引用

安倍首相は28日の施政方針演説で明治天皇の御製を引用した。天皇が1904年に詠んだ歌「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」は日露戦争の戦意高揚のために使われたのだが、「しきしま」なる言葉の意味を考えると日本政治の本質…

「国家と革命」レーニン 

国家機構を破壊した新しい国家形態、「プロレタリアート独裁」は資本主義から共産主義へ移行する過渡期にあらわれる。一例はパリ・コミューンである。プロレタリアート独裁の段階ではまだ「いまのままの人間によって社会主義革命が遂行されている」ためにブ…

「共同幻想論」吉本隆明

特筆すべきは対幻想論と共同幻想の同一性・異質性である。著者は場合によって使い分けている。エンゲルスの集団婚を否定するために母系制〈共同幻想〉とプナルア婚〈対幻想〉は結びつかないというが女〈対幻想〉が鉈で殺され狐〈共同幻想〉になる話は対幻想…

「官僚制のユートピア」デヴィッド・グレーバー

プレイの恣意性を否定する以上、ルールのあるゲームをする以外に選択肢はない。バットマンの世界がいかにファシズムの暴力に満ちていても観客は映画館に入館料を払って映画を見ている。このルールがある以上は別なルールの上に構成的権力を作るしかない。そ…

勤労統計の不正

勤労統計が不正に算定されていただけではなく04年~11年までの基礎資料まで破棄されているという。つまり過去の「本当」の賃金や失業給付を算定する確実な手段はもはや残されていない。「歴史の終焉」はこの勤労統計のように官僚機構が自らの過失を隠蔽…

「後期資本主義における正当化の問題」ハーバーマス

後期資本主義で起きている危機は正当化の不足ではなく正当化そのものの欠如である。この場合の正当化とはシステム制御の危機に対応する社会統合の危機を解決する手段と考えられる。ハーバーマスが最後に「古いヨーロッパ風の人間の尊厳を犠牲にして安定する…

日本とフランスの「対立」

AFPなどの報道によるとフランスでJOC会長竹田恒和の訴訟手続きが開始されたという。東京五輪の誘致に関する汚職疑惑が数年前からささやかれていたが今立件されたのはやはり日産のカルロスゴーンに対する日本側の対応への報復と考えられる。 汚職疑惑自…

レーダー照射問題の「目的」

8日の会見で岩屋防衛大臣は韓国側とお互い秘をかけた状態で電波記録を交換する意向を示した。機密保持のために加工されたデータでイルミネーターによる照射を証明できるとは思えないが目的は照射の事実を明らかにする事ではないとすれば納得がいく。今後レ…

移民を推進する経団連の意図

経団連は低下してしまった剰余価値率を上昇させるために安い労働力を必要とする。低い剰余価値率は彼らの経済活動の要である利潤率を侵食するからだ。彼らは一人の正規労働者を雇うよりも二人の非正規を雇った方が相対的搾取率は同じでも2倍の労働時間を搾…

富豪がベーシックインカムに賛成する理由

マーク・ザッカーバーグやリチャード・ブランソンがベーシックインカムに賛成するのは「優秀な」資本家として利潤率の低下を懸念しているからである。つまり失業者や低所得者のためを思って賛成しているわけではない。可変資本に対する不変資本の割合が大き…

辺野古埋め立てを問う県民投票

来月24日に行われる沖縄県民投票に6市が不参加・態度保留の意向を示した。住民投票は保障された権利であるから、住民の権利侵害という民主主義の否定を宜野湾市・沖縄市・うるま市・糸満市・宮古島市・石垣市の首長は行うことになる。普天間基地が置かれ…

サービス残業は生産性の低下させる

今年の4月から残業時間の上限が年960時間となる。スイスの場合は170時間だから日本はスイスの約6倍残業できるという事だ。 日本の場合サービス残業がほとんどの企業で常態化しているため、960時間に含まれない残業を考えると諸外国と労働の価値観…