2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「二・二六事件を読み直す」堀真清

青年将校に同情する著者は、皇軍派と西田派を分離した上で、後者の「純潔」を称賛している。二・二六事件以後に「幕僚ファッショ」による上からのファシズムが実行されたという記述は、青年将校の代弁といえる。 しかし、彼らの「革新の勇気と情熱」を称揚す…

「消費ミニマリズムの倫理と脱資本主義の精神」橋本努

モノを捨てる背景にはスマートフォンやインターネットの普及による資本を必要としないデータの流通がある。ミニマリズムとはデータの流通に資本を介在させない消費と言い換えることができるだろう。 脱資本主義の可能性としては、禅や共産主義等が参照される…

「人類最期の日々」クラウス

人類の最期とはキリスト教文明の最後の姿としての第一次世界大戦を指す。 カール・クラウス(不平家)はドイツやオーストリア同盟国側の戦争をトイレットペーパーにシェイクスピアの引用を印刷するような「野蛮性の生ける印」として批判するが、イギリスは「…