2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧
左派がアイロニカルな没入に陥っているというが、筆者の言う日本版ニューディールは「没入」が強さを持ってしまう思想的課題に応えていない。「~は正しい。だが~」という文体が現実と意識のギャップを表しているならなおさらである。性差別・格差・排外主…
子どもの中に堅固な闇を作るというが、抑圧がなくなった結果無意識も存在しないのだから主体の再構築は反動だろう。現実界に侵食された象徴界から「身を守る」ために症状を創造的に使い人生を切り開くという解決策はあまりに主体に重きを置きすぎている。む…
安倍首相は28日の施政方針演説で明治天皇の御製を引用した。天皇が1904年に詠んだ歌「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」は日露戦争の戦意高揚のために使われたのだが、「しきしま」なる言葉の意味を考えると日本政治の本質…
国家機構を破壊した新しい国家形態、「プロレタリアート独裁」は資本主義から共産主義へ移行する過渡期にあらわれる。一例はパリ・コミューンである。プロレタリアート独裁の段階ではまだ「いまのままの人間によって社会主義革命が遂行されている」ためにブ…
特筆すべきは対幻想論と共同幻想の同一性・異質性である。著者は場合によって使い分けている。エンゲルスの集団婚を否定するために母系制〈共同幻想〉とプナルア婚〈対幻想〉は結びつかないというが女〈対幻想〉が鉈で殺され狐〈共同幻想〉になる話は対幻想…
プレイの恣意性を否定する以上、ルールのあるゲームをする以外に選択肢はない。バットマンの世界がいかにファシズムの暴力に満ちていても観客は映画館に入館料を払って映画を見ている。このルールがある以上は別なルールの上に構成的権力を作るしかない。そ…
勤労統計が不正に算定されていただけではなく04年~11年までの基礎資料まで破棄されているという。つまり過去の「本当」の賃金や失業給付を算定する確実な手段はもはや残されていない。「歴史の終焉」はこの勤労統計のように官僚機構が自らの過失を隠蔽…
後期資本主義で起きている危機は正当化の不足ではなく正当化そのものの欠如である。この場合の正当化とはシステム制御の危機に対応する社会統合の危機を解決する手段と考えられる。ハーバーマスが最後に「古いヨーロッパ風の人間の尊厳を犠牲にして安定する…
AFPなどの報道によるとフランスでJOC会長竹田恒和の訴訟手続きが開始されたという。東京五輪の誘致に関する汚職疑惑が数年前からささやかれていたが今立件されたのはやはり日産のカルロスゴーンに対する日本側の対応への報復と考えられる。 汚職疑惑自…
8日の会見で岩屋防衛大臣は韓国側とお互い秘をかけた状態で電波記録を交換する意向を示した。機密保持のために加工されたデータでイルミネーターによる照射を証明できるとは思えないが目的は照射の事実を明らかにする事ではないとすれば納得がいく。今後レ…
経団連は低下してしまった剰余価値率を上昇させるために安い労働力を必要とする。低い剰余価値率は彼らの経済活動の要である利潤率を侵食するからだ。彼らは一人の正規労働者を雇うよりも二人の非正規を雇った方が相対的搾取率は同じでも2倍の労働時間を搾…
マーク・ザッカーバーグやリチャード・ブランソンがベーシックインカムに賛成するのは「優秀な」資本家として利潤率の低下を懸念しているからである。つまり失業者や低所得者のためを思って賛成しているわけではない。可変資本に対する不変資本の割合が大き…
来月24日に行われる沖縄県民投票に6市が不参加・態度保留の意向を示した。住民投票は保障された権利であるから、住民の権利侵害という民主主義の否定を宜野湾市・沖縄市・うるま市・糸満市・宮古島市・石垣市の首長は行うことになる。普天間基地が置かれ…
今年の4月から残業時間の上限が年960時間となる。スイスの場合は170時間だから日本はスイスの約6倍残業できるという事だ。 日本の場合サービス残業がほとんどの企業で常態化しているため、960時間に含まれない残業を考えると諸外国と労働の価値観…