サービス残業は生産性の低下させる

今年の4月から残業時間の上限が年960時間となる。スイスの場合は170時間だから日本はスイスの約6倍残業できるという事だ。

日本の場合サービス残業がほとんどの企業で常態化しているため、960時間に含まれない残業を考えると諸外国と労働の価値観が異なるとしか思えない。

長時間労働サービス残業を行うということは1時間当たりの労働生産性が低いことを意味する。実際OECD36か国中日本は21位と、先進国では最も生産性が低い。

マルクスによれば商品の価値量とその相対的表現は一致しない。卵の生産量が増えても他のキャベツやらレタスが増産していれば卵の価格は変わらないのだ。

日本のサービス労働の生産性が低いのは他の産業の生産性が停滞する中でサービスの価格を維持するための操作であるとすれば、サービスの価値量はわれわれが価格から想定するよりも増えていないと思われる。

サービスの価格を維持するための意図的な長時間労働。この相対的表現が労働や社会のサービスに対する固有の幻想を生み出すのである。