「国家と革命」レーニン 

国家機構を破壊した新しい国家形態、「プロレタリアート独裁」は資本主義から共産主義へ移行する過渡期にあらわれる。一例はパリ・コミューンである。プロレタリアート独裁の段階ではまだ「いまのままの人間によって社会主義革命が遂行されている」ためにブルジョア的権利は残り不平等である。生産手段の国有化によって搾取が禁止されるのが共産主義の第一段階〈社会主義〉であるが官僚の〈指揮〉機能を〈監督と簿記〉機能に置き換え議会は行動者団体となる点にのみ大きな進歩がある。プロレタリアートによって抑圧者を排除し労働を自ら厳格に統制する習慣を身につけた時、精神労働と肉体労働の対立や国家、民主主義が消滅しより高い共産主義が実現できる。

「国家が最後に行う自主的行為が全社会の代表者として表れる」とされるがこれは全社会が均一化したことでひとりひとりの立場が全体の立場と一致したことを意味する。また精神労働と肉体労働の対立が消滅するのは労働が人間にとって第一の生活欲求として生活そのものに転化した後に可能になるだろう。