レーダー照射問題の「目的」

8日の会見で岩屋防衛大臣は韓国側とお互い秘をかけた状態で電波記録を交換する意向を示した。機密保持のために加工されたデータでイルミネーターによる照射を証明できるとは思えないが目的は照射の事実を明らかにする事ではないとすれば納得がいく。今後レーダー照射や低空飛行といった小競り合いが生じないようにより緊密な日韓の軍事連携が実務者レベルで模索されているのだろう。

また同じ会見で日韓ではなく日米間の防衛局間の連携が重要だと指摘されたのは、海軍を増強している中国や冷戦以後最大規模の軍事演習を行っているロシアに対する威嚇に他ならない。

アメリカが東アジアの局地的な問題のために介入する理由は中露に対する新冷戦を優位に進めるためであってアメリカがお膳立てする実務者協議も日韓関係の問題の解決を目的としていない。結果、当事国の利益と意図の対立はより複雑かつ深刻になるだろう。