在日米軍の存在意義

庶民に政治の可能性を信じさせない限り在日米軍は存在し続ける。なぜなら庶民にとって今の政権よりもアメリカ政府や在日米軍のほうが統治権力として望ましく見えてしまうからだ。

日韓関係がレーダー照射問題で揺れていた1月17日に米海軍作戦部長リチャードソンが安倍晋三と会談を行った。そして6日後に韓国が日本の威嚇飛行の写真を公開した時、反論のための証拠を提示しなかった。中国から帰国する途中に立ち寄ったリチャードソンに韓国を挑発するなとたしなめられたためだろう。

その後在韓米軍の経費負担が署名される。

防衛省がレーダー照射の事実を世間に公表した12月には経費負担を巡って米韓で対立していた。レーダーの照射の有無を第三者的に判断できるのは電子偵察衛星を持つアメリカしかない。日本は米韓同盟が円滑に存続するように忖度している。

日米安保条約には米軍の対日防衛義務などは無く沖縄の基地はエアシーバトル構想で運用・建設される。それでも庶民は他国の軍隊が自分たちを守ってくれると思っている。

理由は庶民にとってほかならぬ自国の政府こそが脅威だからである。韓国や中国に挑発行為を繰り返す日本政府から守ってもらう実行力として在日米軍を欲している。辺野古の基地反対署名がホワイトハウスに届けられる理由はほかならぬ日本政府が沖縄県民にとって一番の脅威だからである。これは沖縄だけの問題ではない。

辺野古の基地建設が憲法違反であり地方自治に対する侵害である点を考えれば、日米安保を理由とする超法規的措置は他の自治体にも応用できる。地方自治は全国的な庶民の問題なのである。疲弊し続ける地方に自治権参政権を完全に保証しなければ衰退に歯止めがかけられないだろう。

東京地検特捜部が民主党政権地方参政権法案を葬ったのも外国人参政権地方自治に活かされた場合中央集権の仕組みが危うくなると知っているからだ。政府は「国民」なる言葉で庶民を洗脳できなくなるのを恐れている。

エリオット・エンゲルの日韓関係決議案で安心してしまう日韓友好派も沖縄に米軍の負担を押し付けている。