国会の形骸化

成立する法案のうち4分の3が内閣提出法案であるが、憲法にも内閣法にも内閣に法案の提出権があるとは書いていない。議案の提出権があるだけだ。

政府は議案に法案も含まれると「解釈」して提出法案を9割以上の確率で成立させている。法案の素案を書いているのは官僚で運用するのも官僚なのだから国会は官僚制の偽装でしかない。日本の法律が庶民には分かりにくい言い回しや用語に満ちているのも運用する官僚の裁量権を大きくしているためだ。

イギリスやアメリカのように内閣の法案提出権が明文化されていないのはなぜか。ここに日本の政治の特質があると思う。憲法や法律の起草者は日本の官僚制の実態とは別の政治を考えていたのだろう。