単独親権について

今ここに40代の男性が単独親権を憲法違反だとして最高裁に上告したという記事がある。日本の法律では離婚すると単独親権になるのでどちらかは親権を失うことになる。ここには確かに両親が一緒に住んでいることが普通だという不可解な社会規範がある。

しかし共同親権が認められない問題と割り切ってしまっていいのか。離婚の原因の5件に1件は夫の妻に対する暴力である。養育費の支払いも8割は未払いである。母子世帯の貧困率は50%を超えている。この40代の男性は違うのだろうが元夫の子供への認識は大半がその程度だという事だろう。親権は子供の住所を指定したり財産を管理する親側の権利である。離婚後の現状を見る限りでは親たる法的権限よりも前に子どもの実情を見るべきだろうし、離婚は単に性格の不一致と片付けてもダメだろう。

人の家庭に口を出すなと言うのが結婚の個人的性質を意味するなら離婚の結果責任が立場の弱い方にかかってしまう。とはいえ親が許可する結婚が幸せだとも今や思えない。家族の次がまったく見えない状況は先がある子供への無理解につながっている。