「夢遊病者たち」クラーク

クラークは責任問題を提起した者の責任を追及していないだろうか。

仮にドイツが紛争の局地化を「望んでいた」としても、それはドイツがオーストリアセルビアに対する戦争をコントロールする立場[裏で糸を引く]にいたことを意味しておりそれこそ露仏同盟が軍事同盟であった理由ではなかったか。

クラークがいくら実例を挙げ、「誰がその敵だったのか。それは誰にもわからなかった」と主張しても責任論を完全に放棄することにはならず、ドイツの予防戦争やベルギーへの最後通牒が相対化されることも決してないだろう。