「ロシア革命」トロツキー

歴史過程のメカニズムの中において個人的なものの意義は薔薇の香りであり、この香りは薔薇を生育する土壌の成分が無くなったとしても失われるものではない。

この前提を踏まえた上で、出来事はそれ自身の法則性に従っていなければならないとされる。

二つのロシア革命において革命を成功させた力と二重権力のうち、本来プロレタリアの側にあるメニシェヴィキやエスエルがブルジョアジーに従属するに至った経緯は「出来事」として連関させる必要があり、その描写が最も困難な作業だろう。